sqlserver null 判定: データベースの謎を解く鍵

データベース管理において、NULL値の取り扱いは常に重要な課題です。特にSQL Serverでは、NULL値の判定が複雑で、初心者からベテランまで頭を悩ませることが少なくありません。この記事では、SQL ServerにおけるNULL値の判定について、多角的な視点から詳しく解説します。

NULL値とは何か？

NULL値は、データが存在しないことを示す特殊な値です。SQL Serverでは、NULL値は「未知」または「適用不可」を意味します。例えば、顧客データベースで電話番号がNULLの場合、その顧客が電話番号を持っていないか、電話番号が不明であることを示します。

SQL ServerでNULL値を判定するには、いくつかの方法があります。最も一般的なのは、IS NULLとIS NOT NULLを使用する方法です。

SELECT * FROM Customers WHERE PhoneNumber IS NULL;

このクエリは、電話番号がNULLである顧客を選択します。逆に、電話番号がNULLでない顧客を選択するには、IS NOT NULLを使用します。

SELECT * FROM Customers WHERE PhoneNumber IS NOT NULL;

NULL値は、通常の比較演算子（=, <, >, <>など）では正しく判定できません。例えば、以下のクエリは期待した結果を返しません。

SELECT * FROM Customers WHERE PhoneNumber = NULL;

このクエリは、電話番号がNULLである顧客を選択するつもりですが、実際には何も返しません。NULL値は「未知」であるため、比較演算子では判定できないのです。

SQL Serverの集計関数（COUNT, SUM, AVGなど）も、NULL値を特別に扱います。例えば、COUNT関数はNULL値を無視します。

SELECT COUNT(PhoneNumber) FROM Customers;

このクエリは、電話番号がNULLでない顧客の数を返します。電話番号がNULLである顧客はカウントされません。

SQL Serverでテーブルを結合する際、NULL値が含まれる列を結合条件に使用すると、予期しない結果が得られることがあります。例えば、以下のクエリは、電話番号がNULLである顧客を結合条件に使用しています。

SELECT * FROM Customers c
JOIN Orders o ON c.PhoneNumber = o.PhoneNumber;

このクエリは、電話番号がNULLである顧客と注文を結合しようとしますが、NULL値は「未知」であるため、結合条件に一致しません。

SQL Serverでは、列にNULL値を許可するかどうかを指定できます。列にNULL値を許可しない場合、デフォルト値を指定する必要があります。

CREATE TABLE Customers (
    CustomerID INT PRIMARY KEY,
    PhoneNumber VARCHAR(20) NOT NULL DEFAULT 'Unknown'
);

このテーブル定義では、電話番号がNULLである場合、デフォルト値として’Unknown’が使用されます。

NULL値は、データベースのパフォーマンスやクエリの結果に大きな影響を与えることがあります。例えば、NULL値が含まれる列にインデックスを作成すると、インデックスの効率が低下する可能性があります。また、NULL値が含まれる列を集計する場合、結果が不正確になることがあります。